2017年1月14日土曜日

句会報『棟梁』第8回

今回の句会報のテーマ

 

 『ツタを退治しながら句を詠むためには、どうすればよいのか?』



昨年は何故か?

山林の奥底に潜ってツタを退治する事に夢中になりすぎ、
ツタの句だけが、飛躍的に詠め、その能力だけが、飛躍的に成長した。
そのような、なんとも言えない一年を振り返り、
この度、ツタを退治しながら句を詠む為のマニュアルを作成してみる事にした。
今後、ツタ退治を行いながら、俳句活動に明け暮れる、
後世の俳人に向けてのひとつの参考になれば幸いである。

↓昨年詠めた、ツタに関する作句を列挙

・草刈りした後のジュースうまい(7月1日)
・つるという植物を見極める(8月20日)
・天職 野良仕事(9月13日)
・ナタを杖にして崖を渡る(10月17日)
・ナタでしとむるの名人芸(10月17日)
・ナタとノコギリの二刀流(10月22日)


1、ツタ退治を行う為の装備

まずは、いくさをする事と同じくらい、自分自身の装備が重要になる。
密林に潜り込み、ツタの幹を切断し、さらに、根っこに除草剤を塗りつける。
山の中には、スズメバチ、イバラ植物、かぶれる植物、崖、落とし穴など、とにかく危険が一杯。
一瞬たりとも、油断をしてはいけないぞ。

基本装備
・ヘルメット
・長靴
・ゴム手袋
・カッパ(悪天であれば)
・腰ベルト
・ノコギリ
・除草剤の入ったスプレー容器
・ナタ

度々、ツタ退治を行った結果、以上が基本装備という事になった。
さらにあえて必要といえば、剪定バサミだが、
剪定バサミは、密林で落とした場合、喪失する恐れが高いので、
あまり、不用意に持ち歩かないほうが良いと思われる。

2、ツタの根っこを探す

大木を枯らす勢いで成長を続ける巨大なツタ。
中国の蜀の国においては、ツタをロープがわりに利用して、
どのような断崖絶壁をもよじ登っていくのであろうが、私は、ツタを抹殺する事にした。
ツタを放置すると、弱い樹木は成長の勢いに負けて、
枯らされてしまう可能性があるからである。
ツタの根っこが、寄生する樹木とより隣接しているほど、
人間の手では滅ぼすことが難しくなってくる。
特にお茶の樹の根っこにツタがからまって生え始めると、非常に厄介で、
茶畑に完全に寄生するような形で成長を続けてしまうので、
なかなか容易には滅ぼす事ができない。
杉のようなまっすぐ生えた大木に、ツタがからまっている場合は、
スタンダードな攻め方を行う事ができる。

3、ツタの枯らし方

ネットで調べると、3~5センチくらいの太さのツタであれば、
家庭菜園を行う方の一般的なアドバイスが適用され、普通に退治ができるそうなのだが、
私が潜った山林のツタの直径は、ひどいところでは、
10~15センチちかくの太さにまで成長していたため、
一般的な退治の仕方が通用しなかった。
その為、ノコギリ、ナタ、除草剤を三段活用して、ツタを枯らす事にした。
ツタのなるべく地中に近い箇所から、ノコギリを切り込ませ、
ツタの根っこを切断。そして、その切断した根っこ側に除草剤の原液が入った
スプレー容器を吹き付け、根っこを枯らす。

これで、並大抵のツタは枯らすことができるが、
一番厄介なケースは、地下にツタの根っこが、あたかも、
首都地下鉄線のように、入り乱れて成長してしまっている場合で、
この場合は、さらに剣スコップを追加で所持し、根っこがありそうだと思われる箇所を
推測で掘り当てて、地中の根っこを切断し、除草剤を塗りこませる必要がある。
また、人力では到底、太刀打ちできないようなツタの密集地帯は、
まずは、草刈り機で、ツタの葉っぱや、5センチ以下のツタをいっぺんに刈り込んで、
刈ったツタが枯れた後に、本格的にツタの根っこを退治する作業に取り掛かるのがよい。

ナタは、密林地帯の足場と道を作る為に大いに活躍する。
足場の悪いところでは、作業の効率が何倍も悪くなってしまうので、
作業にとりかかる前に、まずは、ナタで、快適な環境を整えておく必要がある。
まずは、目や頭をケガしない為に、頭上の周辺にからまって生えている植物に、
ナタを振り下ろし安全を確保する。
続いて足場の環境を整えるのだが、その際に、突然ハチに襲われる可能性もあるので、
できれば作業は晴天の明るい時間帯に行いたいものだ。
(夏場は熱中症の恐れがあるので、朝夕に行うのが良いかもしれない)

茶の樹のような樹木にツタがからまっている場合は、
寄生している樹木の葉が非常に低いので、作業は難航を極める。
まずは、自分自身の姿勢は、地をはうように低くして、
どこの地点にツタの本体が成長しながら、からまっているのかを推測する必要がある。
樹木の葉っぱではなくて、根や幹だけをみて、どれがツタでどれがツタではないのかを、
識別できる能力を養う必要がある。

4、ケガへの配慮

ツタが一番成長する、夏や秋に活動を行ったため、
無残にも、ハチ、かぶれる植物、あせもなど、体調をかなり崩す結果となった。

しかし、その恩恵といってもよいか?何故か、ハチという昆虫とも、仲良くなることもできた。
私はかなりのハチの巣をことごとく誅殺し、その結果、
輪廻転生の報いからか?ハチの亡霊に悩まされ、ハチの業を次々と背負う事になった。
ハチとの因果関係を、結ばざるを得なくなった。
自身の志の為とはいえ、あまりにも多くのハチを殺しすぎた・・・

それはさておき?ツタ退治を行うにあたって、できれば一人での作業は危険なので、
二人で行った方がよいが、いろんな事情があるだろう。一人でも行う必要がある。
とにかく、ケガをしないように気をつける必要がある。
常に足場の確保を第一にする事と、
崖にうっかりと落としてしまったノコギリを取りに行く時などが、
一番、心を奪われている瞬間なので、非常に注意が必要になる。

しかし、とにかくこの作業はかぶれやすい。
夏場はタオルを首にまき、使った服装はすぐに洗うようにしたほうがよい。


5、ナタをマスターする

ノコギリは比較的使い方がシンプルな道具だが、
ナタはことのほか、万能性が高く、山林においては、あらゆる代用効果をえる事ができる。

↓ナタの活用法の一例
・獣に襲われた場合、戦える
・杖がわりにして崖を登る
・腕の筋トレになる
・シャドー(仮想敵)と戦い、武道や乱舞を行う事ができる
・道でないところを道に変える

まだまだ、ナタについては活用しきれていない事が多い、非常に奥の深い道具である。
砥石を用意し、使用後は刃を研いで、新たな活用方法を常日頃考える習慣を身に着けよう。

6、除草剤について

除草剤は、園芸用ではなくて、根ごと枯らす強力な性質の物を買って使うのがよい。
プロ仕様になると、もっと強力なクスリがあるらしいのだが、
高価な事と、安全に使いこなすためにはある程度の知識が必要と思われるので、
一般的にホームセンターで売れている除草剤を買って使用した。
除草剤のコストが惜しい場合は、水で2、3倍に薄めて使用する。
除草剤は当然ながら、人体にも悪い影響を及ぼすので、
心配な場合は、マスクを着用して作業するとよい。

7、ツタの業について

私個人の野望の為、あまりにも多くのツタの首を切り、さらし首にしすぎた。
そして、また、その子孫を3代に渡るまで、毒殺しつづけた。
よって、ソケイは、ツタの業を背負い、来世にいたるまで、償いをし続けなければいけなくなった。
植物と動物が、植物と人間が、どちらが偉いのかなど?
そのような事を考える事自体が煩悩であり、ただの考えすぎに他ならないのであるが、
しかし、事実として、生命を絶やせば絶やすほど、自分自身に絶やした生命の業が重く乗っけられていく事を実感した。
これらは、昔ながらの生活をしてきた人類にとっては当たり前すぎる事のはずなのだが、
そのような体験をせずに市街地でのほほんと温室生活をして育ってきたため、
30代にして、やっと、そのような体験をすることができた。

ツタを退治する事において、一番大きかった功績といえば、
そのような、『植物の業を背負う』、という実感を得る体験であったのかもしれない。
山の主という概念があるが、たしかに、手に負えない竹林やツル植物と一年中向き合って生活を送るようになると、
山の主、神様が、たしかにそこに、本当に存在するモノとして人生を送っていくことになる。

今年もまた、ツタ達は人知れず成長し、あの山を蹂躙する。
私もまた、ナタとノコギリを振りかざし、山の奥底で人知れず乱舞をする事になるのであろう。

余談だが、山の中に潜って、ノコギリやナタをふりまわす作業をしすぎていると、
なぜか?散歩中の犬に異常に吠えられる、という結果を得ることができた。

マスクとヘルメットをした人間が、

ナタとノコギリを振り回し、

密林で乱舞をしていると、

犬は、吠える。


これは、非常に不思議な、重大な結果を得ることができた。

さあ、今年も、ツタを刈ろう。



8、ツタを枯らしながら句を詠むための方法

・犬に吠えられ過ぎてても、やめない

(句を詠む為のコツは、そのような、結論になります。
 これを参考に、後世の俳人もツタを退治しながら
 自身の俳句活動に明け暮れてくれれば幸いであります。  ソケイ 拝)