2017年9月20日水曜日

句会報 第25回

https://www.youtube.com/watch?v=XhIFK4P_5J4&feature=youtu.be

久々に、自由律俳句TVの放送となります。

自由律俳句TV5。
なんとも言えない動画になっております。

2017年8月17日木曜日

句会報 第24回

今回はいよいよ、出雲地方で唯一出会えた自由律俳人、星野光範さんを特集してみようと思う。

やっと、それを実行するための気力が備わったところである。

星野さんと私が出会えたのは、とある島根県内の某店舗であり、
お店のマスターが自由律俳句のイベントを企画してくれたおかげで、知り合う事ができた。マスターにも感謝。

年齢は、私よりやや年上だが、ほぼ同年代と言ってもよい。

早速ではあるが、その句の特徴については、「ミステリー」の一言につきると思う。
句の全体が、ミステリー、謎を追求する事に終始している俳人。

かなり個性的な人物と思われる。

さあ、星野光範氏を紹介せよ!




●一番最初に目に止まった句

星野さんが過去に今まで詠んだという句を、出会ったその日に預かり、個人的にコピーして手元に資料として入手をする事ができたのだが、その中でも、一番最初にインパクトを感じたのが、

・皆正しいから蛇の舌はちろちろ割れる

である。

現在お仕事で、褌のデザインを作成しておられるという光範氏。

そして、この蛇の舌の形について着眼している感性は、
どうにも、読んだ読者の目が点になる感覚に襲われる。
我々は、哺乳類だが、哺乳類が正しいと思っていることを、
ヘビという種族の生き物に、見透かされてしまって、
すっかり、手玉にとられてしまっているのではないか?という心境に襲われる。

蛇の舌が割れている不思議、なぜ、舌が割れているのか?

その舌は、我々の事をどう思っているのか?その舌で、一体何を述べるつもりなのか?

本人にこの句がよかった事を告げると、「斜に構えた目線」であると、自覚しているのだという。
この句もそうだが、たしかに、星野さんの句は、物事を斜めからとらえた句が多い事に気づかされる。

150句ばかりいただいた原稿の中から、個人的に気になった物を列挙してみよう。

・おばはんが食べて糞して屁をこいておならも鳴らす米国人
・自由とはもっと自由なはずなのに皆クロールで自由形やる
・にっこりと花を摘んでわたしはやはり人間嫌いなのです
・使い切れない鉛筆、命に等しい
・気高く美しいことがなぜオオイヌノフグリなのだろう
・夕空にこうもりの群れ、秩序ある無軌道
・一度も嗤われたことがない胡蝶蘭
・冷凍マグロのようにゴム長で蹴飛ばされる
・風吹けば桶屋が儲かるその続きの話知りたい
・ハンカチ持たない男子の正義
・うまかったけど血の味がした
・散々な目に遭ったよとうれしそうな顔
・いつも通りという窮地
・何をやっても面白くないという平和
・誰にとって安全日
・これはペンですと何度も絶叫すれば通じる
・蠅は一週間も私の部屋で何がしたいのだろう
・西瓜をノックして誰もいないことを確認
・あなたはいつか必ず死ぬでしょうと真剣な占い師
・ぼくはゴッホより幸せでありたい
・予告編がピーク
・桃をむさぼる
・夭折は命尽きただけのこと
・平和記念公園で生まれて初めてホームレスを見たのを思い出す
・ジャングルジムの奥にはもう入れない
・ビートルズを全部手放す
・みみずをつまんで英雄
・おネエはすぐ泣く
・ぜんぶ覚えてる
・奥にはだいたい何もない
・幸せと不幸が表裏ならばモグラ叩きの数が合わない
・きんたまを舐める仔猫の愛らしさ天使はだいたい両性具有
・墓の下には仮面
・あばら骨の数だけ無念
・それよりも巻き爪が痛い

トンネルのように奥までずっと続く、謎、謎、謎の連続であると言える。

一貫して、孤独を感じさせる句が多い。

多数派ではなくて、少数派の意見に立つことが多く、それゆえに、何事に対しても考えすぎてしまう立場に立たされる。

星野さんの悩みは、考えないですむ人たちと一緒に居る時に感じる、不条理な疑問を、口に出して言う訳にはいかない状況に立たされている為に、そのモヤモヤが消化不良として体内にずっと残っていた。

そのモヤモヤを述べる一つの手段が、句であるように思われる。
冷徹な出来事について述べている句が多い。

「冷徹」を辞書で引くと、「冷徹」とは、
感傷的にならず、冷静に、物事の根本までを鋭く見抜いている様、とある。
うーん、そのとおり。

特に

・冷凍マグロのようにゴム長で蹴飛ばされる
・誰にとって安全日

など、
星野さんの句には、一貫して冷徹な厳しさがある。

安易に心地よい環境に身をおかず、現実として、最終的にそうなるのではないかという、物事の根源的な部分を見つめようとしている姿勢が見受けられる。

二人でその後、鍋パーティーを開催したところ、

・句会ならではの残尿感   祖啓

という句が詠めた。

これは、お互いが多弁ではなく、無口な性格が募って、そのような空気感が発生した。

星野氏はビールがお好きなようだ。
また、最終的にこの日の思い出は、

・褌の龍   祖啓

という一句になった。

星野さんは、褌のデザインに龍を起用しようとしていた。

常に考え続け、深刻に悩んでいく姿勢が多い星野さんだが、

・桃をむさぼる
・予告編がピーク

などは、完結に人間の本能、衝動をとらえた、極めてシンプルな句であると言える。

星野さんの句にはどちらかというと、人間、動物、社会といった出来事が多いのも特徴であると思う。

セピア色な色調で、それらが淡々と描写されていく。

せっかく出会えた、島根県内の自由律俳人と、今後は、バーベキューや花火大会など開催すべきか?微妙に悩んでいるこの頃ではあるが、ひとまずは、今回の原稿を終わらせていただく。

※原稿を掲載するにあたって、再度、星野さんと呑みに行き、謎の親交が深まった。
居酒屋で酒を呑み、最後には、エビの天ぷらを割り箸でつまみあげ、
空中で踊らせたあと、しばし沈黙し、迷ったあげく、最後にはそのエビを食べたという噂である。            おわり

2017年8月7日月曜日

句会報 第23回

特集  竹取族とは何か?


今回は、「竹取兄さん」と呼ばれる種族の人たちの生き様について考えてみようと思う。

竹取兄さんは、将来、「竹取の翁」へと成長すべくしてこの世に生まれた男であり、
以下のように名前が出世しながら変化する。

竹取小僧 → 竹取兄さん → 竹取おじさん → 竹取の翁

どのような進化を遂げて、竹取の翁へと成長するのだろうか?
生物学的に、研究せよ。



★竹取小僧の成長過程

竹取小僧は、竹やぶの隣に生まれた少年であり、
竹林で遊びながら、竹細工をして、タケノコを食べて育つ。

特徴としては、まだまだ未熟であるため、でかくなりすぎたタケノコを掘り、
あくぬきに失敗し、苦い想いをし続けるのだという。

また、竹取で使用した選定バサミやノコギリを竹林で紛失する事もしばしばで、
夕方になって日が暮れるまで、ひたすら失くした道具を探すことに明け暮れる事になる。

竹取小僧は、天秤のように竹竿を持ち、あらゆる物資を運搬する。




★竹取兄さん

ようやく竹取に失敗しなくなり、一人前になったのが竹取兄さんであり、
古い竹と新しい竹の性質を見抜き、用途におうじて竹を使い分けたり、
何メートルもある巨大な孟宗竹を次々と切り倒し、正月には門松を作ったりもする。

巨大な竹達との格闘に一番精を出しているお年頃と言えよう。

それだけにケガをする事も多く、竹の枝で目を突き、角膜に傷が付き、心配しすぎて眼科に通院したりもする。

また、この頃、思想面でも成熟化し、将来、自分が、竹取の翁へと成長し、人生を終える事を自覚する。

竹に切り目を入れる時の角度と姿勢が、潔く、かっこいい。



★竹取おじさん

竹取おじさんは、すっかり竹を取ることが生活の収入源になった状態の男であり、
通年で何本竹を取り、どのように加工して出荷するのかを常に考え続けている。

また、竹林の駆除を依頼されたならば、竹の切り株に穴を開け、除草剤で抹殺を試みようともする。
竹きり専用のチェーンソーの刃(刃が2倍)を大量購入し、竹林をまるごと伐採したりもする。(儲かるから)

この年代は、体力面よりも、戦術性や、技術力を磨く時期であると言える。

工事現場の足場の材料に竹竿を使用したい為、日中同盟を結ぼうとしている。

ほか、タケノコでチンジャオロースを作りすぎ、家族に飽きられてしまう危険性があるらしい。



★竹取の翁

いよいよ、竹取族たちの人生の終焉期として、竹取の翁へと老熟を迎える事になる。

もはや、竹取の翁にとって、竹は、自分の分身そのものであり、120年に一度咲き、枯れるのだという伝説の竹の花の発生源を探し求める事が、最終目標となっている。
竹が風で揺れる音を聞き、竹の花を見つけては、一人微笑み続けるのだが、そしてやがて、思わぬ事態として偶然にもかぐや姫と出会うことにもなる?

竹を極めた男は、まさか、こともあろうに、月の住人と出会い、彼女を育て上げたはてに、月との交信をする事にもなろうとは!

全くもって、人生は奇なる事の連続であるとも言える。

竹取の翁は、竹やぶの隣に住み、若竹が家を破壊することをも許容して人生を送っている。

家の畳に地下から成長した竹が突き刺さり、槍ぶすまさながらに、竹まみれになった和室の中で生活し、人生を終える事になる。

もはや、タケノコを掘ることもない。(ペットとして、パンダを2頭飼っている)

タケに家を半壊させながら、竹取の翁は、どんな竹藪でも通過できる、スリムな体型へとやせ細り、
密集しすぎた竹藪を、自身の棲家として自由自在に移動ができるようになるのだという。



これこそが、竹取の翁の真の姿。
これこそが、「竹取物語」と、呼ばれるストーリーなのだろうか?


現在、私は、なんとか竹取兄さんの身分から、竹取おじさんへと昇進できるよう、努力を積んでいるところではあるが、もしかしたら?将来、竹取の翁にまで進化し、成長をすることができるかどうかについては、さすがに我ながら自信が無い。

国家ライセンスとしても、竹取の翁になることは、難関中の難関と噂されている。

自信は無いが、しかしたしかに、竹取の翁の生き様は魅力的である。






かぐや姫も、魅力的。










そんなこんなで、男のロマンではありますが、
月の住人に出会いたい為に、今日も竹やぶへ、竹を切りに行きましょう。

 

2017年7月31日月曜日

句会報 第22回

新連載を執筆中の最中ではあるが、この度は、検察審査会に出席しながら、俳句を詠むためには、どのような工夫を行えばよいのか?
という内容で記事を書いてみようと思う。

ツタ退治の講座につづく、単独読み切りの第二弾になる。

もしかしたら、将来、裁判員制度の裁判員に選ばれてしまう可能性もある、日本中の俳人たちに向けての予備知識として必要な特集と思われる。

↓検察審査会の概略については以下を参照せよ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E4%BC%9A

検察審査会に出席した人間の境涯俳句とは?

検察審査会に参加をするにあたって、どのような季節感、
境涯を感ずれば良いのだろうか?という課題について、いくつかのポイントがある。

・守秘義務
・くじ引きで当選した
・裁判所の雰囲気について
・少しだけ臨時収入
・書類
・検察審査会ならではの人見知り

これらは一体、どのようなポイントなのだろうか?




★守秘義務について

以上の内容について詳しく記事を書くべきだが、
一番、重要な問題は、なんといっても守秘義務である。
どこからが、処分の対象になるのか?法律上、違反になるのかを、常に吟味して
検察審査員は、記事を書いていく必要がある。
この緊張感、ある意味、普通の句会では味わえなかったスリルだ?
自分が書いた文章が、法律上違反になり、罰せられるのだとすると、
あらゆる、固有名詞、地名、日時、金額など、諸々、具体的な事を一切、述べてはならない。

・私は、具体的な事を述べては、いけない

このような、不思議な心境に脳内がいっぱいいっぱいになってしまうのだ。
たしかにこれは、普通の日常生活を送っていた時には詠めないような心境の句が詠める。
そこについて、追及せよ。





★くじ引きで当選した

なぜ、自分が検察審査員になったのか、なれたのかについては、
すべて、公正なくじ引きの元、決定したのだという。
それ以外、何も理由は無い。天命なのだろうか?
就職の志望動機とは、百八十度異なる設定での労働基準から、スタートを行う事になる。

・くじ引きで、合格





★裁判所の雰囲気について

必ず集まる事になる、裁判所。
必ず、毎回、裁判所へ行く。
必ず、裁きを受けに行く、裁きを行いに行く事が、
スケジュールに明確に計画されている人生というのは、ある意味、とても奇妙な光景だ?

・人が人を裁くのは、難渋






★少しだけ臨時収入

検察審査会ならではの、支給額が支給されるのだが、
もちろんこれも、守秘。
秘密の金額が、各員に支給される事になる。
密かにではあるが、交通費の内訳については、念入りに支給が行われているらしい。

・検察審査会ならではの時給






★書類

膨大な量の資料!
生まれてはじめてみる書類と、次々とご対面する事になる。
シャチハタ印は却下されるので、認印を持参する事になる。
世にも珍しい書類だが、外部への持ち出しが禁止されている。
どのような書類であるかは秘密だが、なんとも、国家と向き合っている心境に立たされる気持ちになる書類が多い。

・知らない書類とご対面、どうする?

 



★検察審査会ならではの人見知り


最終テーマはここに行き着く。
まだまだこれからも、検察審査会に出席し、検察審査会の世界観にどっぷりとつかる事になるのだが、
一番奇妙な事は、検察審査会は、人見知りとは何かについて
研究を行う事の最高の環境である、と言える。
人が人見知りを発生させやすい場所といえば、
町内会、学校の教室、ガソリンスタンドなどが、まずは筆頭に上がるところだが、
ことに、検察審査会もこれまた、独特の人見知り感を体験する事になるイベントである。
ある意味、これを味わう為に法律を守っているのではあるまいかと思うほどである。

独特な空気の中、支給されたペットボトル(250ml)のお茶をのみ、お昼に近くのスーパーまで歩いて行き、弁当を買い、独特な空気感での人見知りを行いながら一緒に昼食を食べる。
これこそが、検察審査会なのだろうか?
もちろん、事件の内容については、大切な事がたくさん出てくるのだが、
守秘義務をとても守りたくなった為、書かないことにする。

検察審査会が満了した暁には、さらなる守秘感にあふれた原稿を書く事ができるのかもしれない。
そしてまた、もしも将来、裁判員に選ばれてしまった時の心構えとして、さらなる準備を備えて置く事にしてみよう。

・裁判員制度に向けて邁進せよ





検察審査会は、基本的に、辞退ができない事になっている。
理由なく欠席した場合は、処分の対象となる。
そして、どこまでも、秘密を守らねばならない・・・。

懸垂せよ!

そんな時は、懸垂せよ。

2017年7月11日火曜日

句会棟梁 常連参加者一覧表

句会棟梁では、
現実の世界での俳人を集める事が困難であったため、
架空の俳人を集め、句会を行う事が、時節、あります。

常連参加者のご紹介

・ママチャリ ノ サビスケ

いわゆる、ママチャリ。
創設当時から秘書を務める献身的な、マスコットキャラクター。
頭はあまり良くないが、愛嬌で、何かと危機をフォローする。
口癖は、「まかしとき!」



・百獣の王ライオン

島根県松江市の某公園の遊具として子供達と戯れる日常を保ちつつも、
なにげと、百獣の王として君臨している生き物。
句会内一の常識家ではあるが、
それだけに、意見の衝突が絶えず、ささいな事で憤慨してしまう難癖を持つ。
口癖は、「なんのその!」



・ワイパー

無条件に、無償の愛を与え続けてしまうという、
天使のような存在ではあるものの、
ウォッシャー液の補充や、天候との相性を見誤ると、
クレイジー以外の何者でも無い、異常行動をとってしまう、
生粋の応援家。



・フラワーロック君

1990年代、日本のトップにたった経歴を持つロック歌手。
以後、各地を転々としていたが、
句会棟梁に、ヤフーオークション経由においてスカウトされ、常連参加者に就任。
まだまだ、これからの活躍が期待される大型新人である。



・レジ袋

絶対的縁の下の力持ちとして、この世に生まれし、召使い。
別名「ちょこざいな、召使い」の異名を持つも、
あまりにもその、やられっぱなしであるスタンスは、
時に、人を感動させ、常識を根底からくつがえす。



・臥薪嘗胆麺

横山光輝ワールドより、召喚されたと噂される、中華料理屋の店長。
句会棟梁の会計監事を務める。
何かと理屈っぽく、微妙にケチだが、頭は良い。



・コロッケ四段

「コロッケおいしい」の一句を投じた事で、
日本中の俳人を震い上がらせたブータン出身の天才俳人。
その力量は、底知れず、永久に困る。



・お客様貸し出し車

某ホームセンターの、お客様貸し出し車。
何かと便利で、気さくな軽トラではあるが、
いざ、事故を起こした場合、色んな意味で、おこられすぎる。



・おなら連盟

フリーメイソンを影で操っていると噂される、地球規模の秘密結社。
人類のおなら規約についての、全権限を牛耳る。
恐るべき、誠に恐るべき、影の独裁者。

2017年7月10日月曜日

句会報 第21回

新連載 「コロッケおいしいリターンズ」


第1話 謎の俳人コロッケ四段



この連載は、架空の俳人が集まり、句会棟梁の中において、架空の句会を開催するという内容の物語です。

聞くところによると、問題句「コロッケおいしい」を投句したのは、ブータン国籍の謎の俳人、コロッケ四段である事が判明した。

そして、その時の人である、コロッケ四段が、なんと、留学生として何年間にも渡り日本に在籍し、なおかつ、句会棟梁に、この度、参加してくれる事になったのだ。

常連参加者一同は、皆、困惑しながらも、奮起感激した。

ママチャリーノ「これは、一大事ですね!ソケイさん!」
ソケイ「ほんとだ・・・・・・。一大事だ。」
百獣の王ライオン「なんのその!返り討ちにしてくれるわ!」

句会の内容については、即吟形式で争う事になった。
集まって自己紹介を終えたあとは、題詠は自由。
即興で句を詠み、どちらが優れているのかを競い合うのだ。

真剣勝負以外の、何者でもないぞ!

早速、謎の俳人コロッケ四段が到着した。

コロッケ四段「句会棟梁の皆様、はじめまして。ブータンからやって来ました、コロッケ四段と申します。」
ソケイ「はじめまして。ソケイと申します。早速、句会をやりましょう。」

早速、句会がはじまった。

経過時間    名前       句
5秒      ママチャリノサビスケ  コロッケやキャベツを添えて皿の色
11秒      百獣の王ライオン  コロッケや蛙飛び込む水の音
20秒      ワイパー     コロッケは何かと便利弁当だ
21秒      ソケイ       コロッケやキテレツどもが夢の跡
22秒      フラワーロック コロッケ姿のしぐれてゆくか
23秒      コロッケ四段  コロッケおいしい
23.5秒     コロッケ四段  日常たのしい
23.8秒     コロッケ四段  人生たのしい

ソケイ「まいりました。」
ママチャリーノ「負けました。」
ライオン「お手上げです。」

勝負は一瞬で決着が着いた。

まさかのコロッケ四段、1秒の間に、3句を立て続けに詠んでくるとは!

あまりの天才ぶりに、皆、驚くばかり。

早さもさることながら、その句の自己完結ぶりには、誰も到達する事ができない何かがあった。

ソケイ「句の境地として、『人生たのしい』と宣言されてしまっては、お手上げです。おそらくは、一生かかっても、勝てない事を悟りました。どうしたらそのような素晴らしい境地にたどり着くことができるのでしょうか?」
コロッケ四段「自分の幸せを自分で決める事。ブータンでは当たり前よ。」

以上が、コロッケ四段の快進撃の序幕である・・・。







以後、彼が何連勝するのかにつきましては、読者の想像にお任せすることになりますが、「コロッケおいしい」という句の魅力について、色々と模索したところ、これはどうも、ブータンの国民性のほうが、日本よりも優れているという問題と非常に類似している事に気がつきました。

国民の幸福度を上げることを目標に政治が行われている国と、そうでない国とでは、一体、どちらが進んでいて、どちらが近代国家なのか?

どうも、日本のほうがはるかに遅れている事が多いように思います。

国民の97パーセントが、自分を幸せだと言っている国の思想とは?いかなる仕組みになっているのやら?

以後の連載において、ブータンの国民性について勉強をしてみまして、謎の俳人コロッケ四段の強さがどこにあるのか?連勝記録の秘密はどこにあるのか?

それらを紐解き、紹介していく事にいたしましょう。

いやはや、とんでもない俳人が句会に参加してくれる事になりました。 (架空ですが)

第1話 終わり

2017年7月9日日曜日

句会報 第20回

連載 「コロッケおいしい」句の研究について 最終回

ゲーム「おいしいコロッケを作ろう」のエンディングを目指している最中ではありますが、ここで一旦、連載を終了し、コロッケおいしいから学んだことをまとめてみる事にしましょう。
問題句「コロッケおいしい」という文体のその、魅力と、短所と、そして、世にも奇妙なゲーム性?などについて、いままでの連載で紹介し、扱ってまいりましたが、この文体のさらなる活用法として、「〇〇おいしい」を、「〇〇たのしい」と、添削をする事が、選者としての一つの試みであると、思うようになりました。

↓添削例

・朝食たのしい
・散歩たのしい
・昼寝たのしい
・仕事たのしい
・会話たのしい
・コロッケたのしい


これ以上、添削のしようが無いほど、本人の中での自己完結が進んでいる状態。

「コロッケおいしい」句のエッセンス、遺志?を受け継いだ場合、その先の未来として、このような俳句の世界が広がっていくのだと思います。

人生を生きていく上で、「たのしい」以上に、求めている事は、ほとんど少ない。

しかし、ほとんどの人は、実際の日常生活が、楽しくないので、様々な表現や、理由、代償、見返りを求めようとして、頭の中で色んな理由や色んな当てつけを、考えようとするものです。

・日常たのしい
・人生たのしい


これを、常にキープできる人間になることが、本当に、自分が本来したかった、子供の頃からの「本音」の気持ち、「志」であるとすると、なぜ、季語をつけたり、リズムに凝ってみたり、わざと難しい言葉を使ってみたり、知力や体力が優れているかのような表現をしてみたくなっていたのか?

色々と、取るに足らない不要な悩みであったと思います。
何事も、「苦しい」場合は、あらゆる表現を駆使して、雲を晴らそうと、四苦八苦しますが、それが「たのしい」に転じてしまえば、空気のように、存在が透明になり、それは、どこまでも許容できるもの。
無条件に受け入れる事ができる器を、入手した、という、達成感を得る事ができるのだと思います。

何を入れてもよいのだし、そのままカラッポでも良いという名器。
それこそが、「コロッケおいしい」という、自己完結において非常に優れている言葉が伝えたかった気持ちの、一番根っこの部分であるように思います。

また、いまだ楽しくないという事を、楽しくする為の方法は、「努力」以外、何も存在しないのではないか?

こうなると、全ての人間は、少なからず楽しくない事を、影で抱えて生きているのですから、
「努力をしていない人間」というのは、実際のところは、この地球上には皆無であると、その存在を、許容する事ができます。

以上で、問題句コロッケおいしいの研究についての連載を終えることになりますが、少し寂しくもあります。

これに匹敵するくらいの問題句に、また、時節出会って行き、句会に花を添える事にいたしましょう。

・コロッケおいしいし、コロッケたのしい


終わり。